• 次に取り掛かったのは、ヒロイン・ふうかのキャスティング。ふうかのキャラクター自体が歌声が小さすぎる無名のストリートミュージシャンという設定のため、監督からは「映画と共に成長していける方に演じてもらいたい」という希望もあり、実際にどのぐらい歌を歌えるのかは全く分からなかったが、当時TVドラマ「カルテット」「ゆとりですがなにか」等で注目を集めていた吉岡里帆にオファー。偶然にも、吉岡は三木監督作品の大ファンだった。歌もギターも初心者のため、ギターのレッスンとボイストレーニングは撮影の約半年前から始めることになった。撮影に間に合うのかどうか……音楽プロデューサーと監督とプロデューサーが見守る中、最後の1ヵ月半辺りから急激に歌とギターがグッと上達していった。「家にギターを持ち帰って毎日ギターを練習し、その成果と最後の集中力で一気に仕上げてきた感じだった」(山野)。

  • 監督は当初から「今回のキーポイントは吉岡里帆がどれだけ“ふうか”として存在し、阿部くんに立ち向かっていけるかだ」と語っていた。「リハーサル初日にやっていただいたらすごくよかったんです。監督がよく言っているのは、役者は芝居に対して自分の中で意図を持つかどうか、現場で演じるまで本人がプランニングできるかどうかが重要だと。演じる場面に辿り着くまでのストーリーを自分の中で作ること。最近の若手はそれがなかなか出来ず、言われたことしか出来ない人が多いんだと言っていました。結果、吉岡さんはキャラクターとして立ち向かってくれ、監督も『今となっては、ふうかは吉岡里帆以外には考えられない』と言っています」(山野)。

TOPへ戻る